映画「リリーのすべて」あらすじ

主人公アイナーとその妻ゲルダは、ともに画家でした。あるときに、ゲルダが新作に着手するに当たり、モデルを探していたところ、ふと思いつきます。それは夫アイナーをモデルにすることでした。アイナーはそこで渋々としながらも、女装をする羽目になります。アイナーは女装した自身の姿を見て、どこか充足した思いを感じるのでした。その新作の画は評判となり、ゲルダはアイナーをモデルとする画を次々作成して成功します。ゲルダはアイナーを女装させ、「リリー」という架空の人物としてパーティーに連れて行きます。アイナー(リリー)はそのパーティーである男性と恋に落ちます。そのような夫の変化にゲルダも気づいていました。ゲルダは当初、夫の中に女性性が居ることに戸惑いを感じ、せめて自分の前に居るときは夫としての、男のアイナーで居て欲しいと望みますが、アイナー(リリー)はそれも拒否します。アイナーはもう、完全に自分の中にリリーという女性性がいることを確信し、リリーとして、女性として生きていきたいと言うことを望んでいました。ゲルダは葛藤がありつつも、徐々にリリーを受け入れ始めます。ゲルダはリリーとして生きるアイナーのことも愛し始めたのです。二人はまるで姉妹のように、仲良く過ごし始めます。そしてあるとき、リリーは性転換手術を受けることを決意します。それは世界で誰もまだ挑戦したことのない、危険な手術でした。ゲルダはリリーのその決断を受け入れ、最期までリリーをさせ、愛し続けるのです。

映画「リリーのすべて」感想

ゲルダの本物の愛に強く心打たれる映画でした。主演のエディ・レッドメインはアカデミー賞受賞歴もある実力派で、ゲルダ役のアリシア・ヴィキャンデルも、この作品でアカデミー賞受賞しています。エディの女装姿は非常に美しいのはもちろん、細かな表情でその中の葛藤や自身の中の女性性を意識する高揚感などをうまく表現しています。この作品は実話を元に描かれており、現代では理解する人も多くなった性同一性障害やトランスジェンダーの問題が、この当時、どのような扱いだったか、当事者は自身の性をどう理解していたかということを学べ、興味深い作品です。夫がある日突然女性になったら、それでも夫を愛することができるか?という、問いを自らに投げかけてきます。そのとき、私たちはゲルダと同様、男としての夫だけでなく、「一人の人間として」愛するという決意ができるでしょうか。それをやってみせたゲルダの考え、葛藤に心が揺さぶられる作品となっています。